田舎暮らしを始める前に スローライフを知ろう!

スローライフ
スローライフ ウィキペディアより
スローライフとは、生活様式に関する思想の一つである。ファーストフードに対して唱えられたスローフードから派生した考え方で、大量生産・高速型のライフスタイルに対して、ゆっくりした暮らしを提案するもの。Slow livingに相当する和製英語である。明確な定義はないが、地産地消や歩行型社会を目指す生活様式などを指すことが多い。日本の高度成長以前の生活はスローライフであったとも言える。
スローフードからスローライフへ
1986年、マクドナルドがイタリアに進出し、ローマのスペイン広場に1号店を開いたが、雨リア資本のファストフード店に対する反発は大きく、この際に起こった反発運動が、店頭的な食文化を評価する『スローフード』運動に発展した。やがて食文化のみでなく、生活様式全般やまちづくりを見直す動きに広がった。
日本におけるスローライフ
日本で『スローライフ』という言葉が使われるようになったのは2001年頃からである。川島正英(地域活性化研究所)や筑紫哲也(ジャーナリスト)らが『スローライフ』について模索していたところ、川島の話を聞いた掛川市の榛村純一市長が『スローライフシティー』を公約に掲げて再選を果たした(2001年)2002年11月、掛川市で『スローライフ月間』が開かれ、12月のシンポジウム『スローライフのまち連合を結成しよう』には、掛川市、湖西市、岐阜市、多治見市(岐阜県)、安塚町(新潟県)、立川町(山形県)、柳井市(山口県)が参加した。その後、『スローライフ月間』は各地で開催されるようになり、『ゆっくり、ゆったり、心ゆたかに』を掲げるスローライフ・ジャパン(川島正英理事長)が設立された。環境問題への関心の高さもあって、スローフード、スローライフ、ロハスなどの言葉が広く使われるようになった。
団体
NPO法人日本スローライフ協会(2004年9月内閣府認証、本部東京都中央区、西崎統理事長)は、伊豆諸島の八丈島で自給自足できるスローライフ(素朗来富)やスローフード(素糧風土)の実践を広めている。三重県では、NPO法人三重スローライフ協会が発足した。松坂農業公園ベルファームに事務局を置き、三重大学名誉教授の大原興太郎が理事長となって、活動している。
背景
1990年頃のバブル景気中に、ファーストフードに代表される大量生産・高速型のライフスタイルや、モータリゼーションの進展により都市の郊外化が進んで行った。これに伴い、全国各地には郊外型のショッピングセンターやロードサイドショップが急増し、中止市街地の空洞化(ドーナッツ化現象)やスプロール現象が進行している。その結果、地方都市が画一的な様相を呈する傾向にある。これに対して、有機農産物や地元産の農産物が推奨されたり(地産地消運動)、沈着型でゆっくりした生活様式を唱える動きが出たりするようになった。これをまちづくりに応用した思想は、『ニューアーバニズム』とも言われている。

スローライフ ①
このように、スローライフという言葉が日本で使われるようになったのは2001年からということで、まだ15年余りしか経っていないのです。それでも、これだけ流通する言葉として使われているのは、それと反するファーストフード店が多いからと思われます。マクドナルドやバーガーキングなどのハンバーガーショップに限ったことではなく、駅前ソバ屋や牛丼屋もその典型です。また、最近はやりのうどん屋もファーストフードと言えます。サラリーマンのお昼休みの間に順番を待っても食べられるものと言えば、どうしてもファーストフードにならざるを得なくなるということでしょう。
忙しい都会のサラリーマンの生活に合わせて成り立つ商売として発展したのが、ファーストフード店であるだけであって、決してファーストフード店自体が悪いわけではありません。それに反発した人たちが、スローフードという言葉を使うようになったのですが、同じサラリーマンの生活で、お昼休みが60分の人がスローフードを達成出来るかと言うとそうではありません。スローフードを目指すには、当然生活を変えなければならないのです。それが、スローライフに発展していったのですね。
掛川市がスローライフシティーの公約を掲げたように、都会でこの公約を掲げることはまず無理でしょう。どうしても『スローライフ=地方・田舎』という図式になってくるわけなのです。そこで、田舎暮らしでスローライフというキーワードに繋がってくるとうことなのです。
今や、スローライフを目指している人は老若男女問わずおりますが、ちょっと前までは、団塊の世代が退職後に『田舎暮らしでスローライフでも送ろうか』と考える人が多かったのです。団塊の世代になると、元気であっても若者よりは早く動くことは出来ませんし、食事もゆっくりとりたいと思うようになるわけです。田舎暮らしで自給自足をしながら、新鮮な野菜を食べて、サラリーマン時代のようにあくせく働く必要がないので、好きな時に起きて、好きな時間に寝て、好きな時に散歩するような暮らしをスローライフのイメージとして定着していったのです。

スローライフ ②
田舎暮らしは本当にスローライフなのか?
質問 『田舎暮らし=スローライ』、のイメージが定着しているのですが、果たしてそれは本当のことなのでしょうか?田舎に行けば、スローライフが送れるのでしょうか?
回答① 田舎暮らしの『田舎レベル』によっても違います。地方や地域によって全く違います。
回答② 田舎暮らしをしたい人の目的や意識によっても全く違います。
スローライフに憧れて、田舎暮らしを始める人の中には、理想と現実のギャップについていけず、すぐに断念して都会に戻ってしまう人も少なくありません。このようなことを言うと、夢や希望を打ち砕くようで悪いのですが、事実、みんながみんな田舎暮らしが成功してスローライフを楽しんでいる人ばかりではありません。それでは、なぜこのようなことが起こるのでしょうか?
回答① 地方には田舎レベルが無限に存在する!
あなたが頭の中に想像する『田舎』とはどのようなものなのでしょうか?田舎のイメージは全員違います。また、あなたのイメージの田舎があなたのスローライフの生活に合っているかどうかは分かりません。田舎には田舎のレベルが無限に存在します。例えば、近所の買い物まで車で1時間の田舎。自転車1時間の田舎。徒歩1時間の田舎。徒歩30分の田舎。徒歩10分の田舎。また、自治体に10万人住んでいる市内の田舎に住みたいのか。1万人程度の村の中心に住みたいのか?1000人程度の村のはずれの山奥に住みたいのか。このように田舎暮らしは無限に存在します。その選択次第で、スローライフが送れるかどうかが決まってきてしまうのです。田舎には、田舎のルールや組織があったりします。田舎の村ほど、その意識が強く、都会の人には馴染まないものが非常に多くあります。

スローライフ ③
田舎レベル1 都会の暮らしが出来て、田舎暮らしも味わえる程度の田舎
田舎レベル2 田舎暮らしの中心にいるが、村や町の縛りやしきたりもほとんどなく、適度なコミュニティがある
田舎レベル3(Max) 田舎暮らしの中心にいて、村のしきたりやルールや組織に縛られる。未だに村八分が存在するようなイメージ
田舎暮らしを成功する人のほとんどは、田舎レベル1~2の田舎を選んでいるのです。事前調査もせずに、田舎暮らしやスローライフに憧れて、イメージ通りの田舎(日本の原風景的なもの)だけを理由に田舎レベル3を選んでしまうと、大抵は失敗に終わるのです。
回答② 田舎暮らしをしたい人の目的や意識によっても全く違う!
田舎暮らしを失敗する人と成功する人の違いはなんでしょうか?
例えていうなら、非常に分かりやすく言いますと、田舎暮らしは『結婚』と同じです。
若い人で初めて結婚する人は、結婚に理想や希望を持ちます。素敵な人と結婚すれば『あんな楽しい事がある!こんな楽しい事がある!』と良いことだけを考えるのです。しかし、実際その素敵な人と結婚すると、素敵な人が思っていたよりも素敵じゃなかった!(笑い)という事が起こるのです。しかも頻繁に!(笑い)。夢から覚めた若者は、早くも理想の結婚イメージが崩れ去り、離婚するのであった(笑い)。という感じに近いのが、田舎暮らしのスローライフなのです。どうでしょうか?分かっていただけましたでしょうか?団塊の世代の田舎暮らしに失敗談が少ない理由は、若者よりも理想を抱いていないからという理由と辛抱できる我慢強さが長年の経験でついているからなのです。しかし、それだけではありません。
団塊の世代が上手くいく本当の理由は、田舎暮らしの目的をしっかりもっているから、なのです。
若い人が失敗する理由は、『田舎暮らしをすれば、のんびりスローライフが送れて、心穏やかに暮らせるだろうな』と責任を『田舎』に預けてしまっているのです。つまり、目的意識がハッキリしていません。
しかし、団塊の世代や上手く人たちは、責任を『田舎』という環境に預けることではなく、『自分がどうするか、自分がどうしたいのか?』に重点を置くのです。つまり、目的意識がハッキリしているのです。
以上、これまで説明してきたように、田舎暮らしでスローライフを送るには、ただ単に、田舎に行けばスローライフが送れるという単純なものではないことが分かっていただけたかと思います。スローライフや田舎暮らしを成功する為には、調査や準備が必要であることと、心構えと目的意識をしっかり持っている必要があるのです。

スローライフ ④